クロムマグネシウム煉瓦におけるクロム鉄粉の役割

クロムマグネシウム煉瓦におけるクロム鉄粉の役割

クロマイト粉(粉砕されたクロマイト)は、クロムマグネシウム煉瓦の単なる充填材ではなく、いくつかの重要な役割を果たします。

高温構造強度の向上:クロマイト粉を添加すると、MgO は Cr₂O₃、Fe₂O₃ などの鉱物と高温で固相反応を起こし、複合スピネル(MgCr₂O₄ や MgFe₂O₄ など)を形成します。これにより、レンガの高温強度、クリープ耐性、荷重時の屈折が大幅に向上します。

耐熱衝撃性の向上:クロム鉱石の添加により、材料システム全体の熱膨張特性が調整されます。スピネル相とマイクロクラックが熱応力を効果的に吸収・分散するため、レンガの耐熱衝撃性が向上し、温度変化の大きい環境でもより耐久性が向上します。

スラグ侵食に対する耐性の向上: クロムマグネシア煉瓦は、酸性およびアルカリ性スラグによる腐食の影響を受ける製鋼炉 (平炉、電気炉、転炉など)、精錬炉 (AOD 炉、VOD 炉など)、セメント回転窯で広く使用されています。

アルカリスラグに対する耐性: レンガに含まれる MgO は本質的にアルカリスラグに耐性があります。

酸性スラグに対する耐性:Cr₂O₃は酸性スラグ(特に高SiO₂スラグ)に対して優れた耐性を発揮します。さらに重要なのは、スラグが侵食されると、レンガの表面に高粘性のマグネシウムクロメートスピネルの緻密な層が形成され、スラグの浸透と侵食を効果的に防ぎ、「スラグ対スラグ」の保護効果を発揮することです。

熱応力の緩和:クロマイト粉の熱膨張係数はマグネシア粒子の熱膨張係数とは異なります。焼成および冷却の過程で、両者の界面に微小な亀裂または気孔が形成されます。これらの微小亀裂は、使用中の急激な温度変化によって生じる応力を効果的に緩和し、レンガの大きな亀裂の発生を防ぎます。

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